Category: Gnosis (GNO)

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コントラクト・アーキテクチャの概要

Gnosisプラットフォームに構築された3つのレイヤーの中で、最も根本的なものがGnosis Core(ノーシス・コア)です。トークンの作成から決済、マーケット・メカニズム、インターフェースを管理するための異なるオラクル・ソリューションなど、コア・レイヤーは、Gnosisで予測市場を作成するために必要な全てのスマートコントラクトを提供します。

これまでのところ、25のスマートコントラクトをSolidityに装備し、全てのコントラクトは、無料で公開しています。GPLv3にてリリースし、すべての拡張機能と今後の開発が無料になることをお約束いたします。この記事ではコントラクト・アーキテクチャの概要を説明し、Gnosisで構築された予測市場でのトークン取引の様子をご説明していきます。

2つのセントラル・コントラクト:イベントとマーケット・コントラクト

通常、すべての予測市場には、実世界を参照するイベント・オブジェクトとマーケットメーカーをイベントを結ぶマーケット・オブジェクトの2つのオブジェクトがあります。

これらのイベント&マーケット・オブジェクトを作成するために、イベント・コントラクトとマーケット・コントラクトの2つのセントラル・コントラクトを作成しました。

イベント・コントラクト

イベント・コントラクトによって、新しいイベント・コントラクト作成し、イベントが開催された後に市場を決着することができます。

全てのコントラクトには次のようなプロパティがあります。

  1. オラクル
  2. 作成されたトークン
  3. 担保のトークン(コラテラル・トークン)

イベントを決着させるためには、実際に起こったことに関する情報をイベント・コントラクトで取得する必要があります。例えば、「大統領選挙で誰が勝ったのか」、「今年末のAppleの株価の状況は」などです。オラクルはこの事実情報を収集し、イベント・コントラクトのイベントの結果を設定します。

したがって全てのイベント・コントラクトは、オラクル・コントラクト(1)を参照します。Gnosisは、オラクルにとらわれません。つまり。コントラクトは全てオラクルとして機能することができ、そのため、Ethereumで開発される全てのオラクル・ソリューションをGnosisが使用する可能性もあります。

オラクルについては、多くのことが言えます。それが、私たちが予測市場アプリケーションだけでなく、別のポストで既に開発したオラクルについて、さまざまなオラクル・カテゴリについて議論する理由です。

イベントは定義された結果リスト(カテゴリー・イベント)、または定義された範囲内の数字(スカラー・イベント)から決着させることができます。カテゴリー・イベントの例は、結果リストがある〇月△日のワールドカップの勝者、チームA、チームB、チームC。スカラー・イベントの例は、現在のAppleの株価であろうX。などです。

全てのイベント結果に対して、ECR-20と互換の結果トークンが作成されます。これは、全てのイベント・コントラクトが少なくとも2つの結果トークン・コントラクト(2)に関連づけられることを意味します。

スカラー・イベントには、2つの結果トークンが発生します。 1つは、長いポジションの場合の結果トークン、もう1つは、短いポジションの場合の結果トークンです。

カテゴリ・イベントには、全ての定義された結果トークンが発生します。

上記ワールドカップの例の場合、チームA、B、Cそれぞれに1つずつ結果トークンが作成されます。

ユーザーは、担保トークン(コラテラル・トークン)と引き換えに、結果トークンまたはロング or ショートトークンのセットを購入して販売することができます。 イベントが取引される通貨、すなわちETH、BTC、USD、安定した法定通貨などが担保トークン(3)となります。

カテゴリー・イベントで予測市場に参加する

例えば、ワールドカップ決勝の優勝チームなど、予断を許さないもの予選市場を説明しましょう。 このイベントには、ドイツチームまたはアルゼンチンチームという2つの結果があり 市場の通貨(または担保トークン)はETHとします。

あなたは10 ETHを投資して市場に参加します。 10 ETH(担保トークン)の投資と引き換えに、それぞれの結果ごとに10の結果トークンを受け取ります。今回の例だと、10のドイツチーム・トークンと10のアルゼンチンチーム・トークンを受け取ることになります。

担保トークンと引き換えに、結果トークンのセットを購入することができます。

ドイツチームに賭けることに決めた場合は、アルゼンチンチームのすべての結果トークンを販売ます。このとき、アルゼンチンチームの結果トークンの価格は、アルゼンチン・チームのワールドカップ優勝に対する市場の見積もりによります。アルゼンチン・チームが70%の確率で勝つと市場が信じていると仮定すると、7 ETH(担保トークン)に対して10のアルゼンチンチーム・トークンを販売することができます。

担保トークンと引き換えに、結果トークンを販売することができます。

10ETH(初めの投資)ー 7ETH(アルゼンチンチーム・トークン販売から受け取ったもの)= 3ETHのみをドイツチーム・トークンを購入するために投資することになります。

もし、ドイツチームが実際にワールドカップに勝った場合、ドイツチームのトークンは1の価値を持ち、チームアルゼンチンのトークンは無価値になります。したがって、あなたは10のドイツチーム・トークンを10ETHと交換し、10ETHー3ETH(ドイツチーム・トークン購入分)=7ETHの利益を得ることができます。

逆に、チームアルゼンチンがワールドカップに勝った場合、ドイツチーム・トークンの価値は0になり、あなたは3 ETHの損失を被ります。

スカラー・イベントで予測市場に参加する

スカラー・イベントを伴うトークン作成メカニズムを説明するために、2017年末のApple Inc.株価に予測市場があると仮定しましょう。株価は100ドルから200ドルの範囲で、現在の1株当たりの価格は160ドルです。(2017年8月26日現在)

10ETHを投資することで、マーケットに参加するとします。10ETH(担保トークン)の投資には、ロング・ポジションの場合の10件及び、ショート・ポジションの場合の10件の結果トークンを受け取ります。

担保トークンと引き換えにロング or ショート・トークンのセットを購入することができます。

あなたが、Apple Inc.の株価が2017年末まで上昇すると予測する場合、ロング・トークンを保有し、ショート・トークンを売るでしょう。あなたが合計で購入する必要があるトークンの数は、年末の価格の見積もりの状況によって異なります。

ショート・トークンを売る価格は、2017年末のApple Inc.の株価に対する市場の見積もりによります。市場が140ドルに下がると考えていると仮定すると、(Price_upperbound-Price)/(Price_upperbound-Price_lowerbound)ETHで、ショート・トークンを販売することができます。

今回の例だと、それぞれのショートトークンの価格は次のようになります。

(200ー140)/(200ー100)=60/100=0.6ETH

担保トークンと引き換えにロング or ショート・トークンのセットを購入することができます。

もし、2017年末、Apple Inc.の株価が$100(下限)を下回った場合、ロング・トークンには価値がなくなり、ショート・トークンは1ETH(担保トークン)の価値になります。

もし、株価が$200(上限)を上回った場合、ショート・トークンには価値がなくなり、ロング・トークンは1ETH(担保トークン)の価値になります。

マーケット・クリエイター(市場の作成者)は、すべての可能性の高い結果がこれらの制限内に収まるように上限と下限を設定する必要があります。 予想される結果がこれらの限度を超えた場合(またはそれらに非常に近い場合)、予測市場の予測的品質は損なわれます。

価格が定義された範囲の平均値、すなわち今回の例では$150になる場合、ロング及びショートの結果トークンは同じ値となります。

2017年末にAppleの株価の上下限内の$180になったとすると、ショート結果トークンの値は直線的に減少し、ロング結果トークンの値は直線的に増加します。

マーケット決着時にあなたが獲得する額は、

(price–price_lowerbound)/(price_upperbound–price_lowerbound) ETH

今回の例では、1つのロング・トークンにつき、

(180–100)/(200–100) = 80/100 = 0.8 ETHとなります。

あなたは、担保トークンとして1ETHを投資したため、あなたの純利益は、 (0.8+0.6)–1 ETH = 0.4 ETHとなります。

つまり、決着値が定義された範囲内にある場合、結果によってロング及びショート・トークン両方共が価値を持ちます。

最終価格にかかわらず、結果トークンのセット(1つのショート結果トークンと1つのロング結果トークン)の合計支払いは常に1 ETH(担保トークン)に対応します。

マーケット・コントラクト

マーケット・コントラクトを使って、新しいマーケット・コントラクトを作成することができます。このコントラクトによりマーケット・メーカーが作成したマーケット上で結果トークンを取引することができます。 イベント・コントラクトは、必ずしもマーケット・コントラクトを伴っている必要はありませんが、伴うことで、予測市場のユーザビリティが向上します。

全てのマーケット・コントラクトの特徴は下記の通りです。

  • イベント
  • マーケット・メーカー
  • マーケット料金

マーケット・コントラクトは常にイベント(1)に関連付けられ、初期流動性を提供し取引を開始するために資金を調達しなければなりません。

マーケットには、担保トークン(例えば、ETH、BTC、USD、安定した法定通貨など)で資金提供されます。

イベント結果トークンを売買するために、マーケット・コントラクトはマーケット・メーカー(2)を呼び出します。マーケット・メーカーは市場の現状を考慮した価格設定を行うボットです。

このフレームワークの一環として、Robin Hansonによって開発されたLogarithmic Market Scoring Rule(LMSR)に基づく自動マーケット・メーカーを実装しました。

LMSRのマーケット・メーカーは、結果の需要と供給に単純に反応し、結果の価格は相対的な需要に応じて決まります。市場がより多くの資金を調達すればするほど、価格を動かすためには取引量を大きくする必要があります。 LMSRマーケット・メーカーの機能については、後日ブログ記事で詳しく説明いたしますので、もう少々お待ちくださいませ。

さて、自動化されたマーケット・メーカーを利用する場合、マーケット・メーカーは結果が決まると全ての資金を失う可能性が出てきます。マーケットの結果が出るまでの間、誰もが、勝つ結果トークンを購入し、負ける結果トークンだけを残すことで、マーケット・メーカーに対する取引をすることができるためです。

そこで、マーケット・メーカーは、マーケット・メーカーをつくる際、オプションとして料金(3)を設定することができます。この料金は、bit価格とask価格の差であるスプレッドであり、マーケット・クリエイターが最初の流動性を得るために市場に費やした資金について補償することができます。

Gnosisでは、最初の公開予測市場を9月末までリリースしていますので、是非ご参加ください。

また、もうすぐ皆さま自身でオリジナルの市場を構築することができるよう準備を進めておりますので、もう暫しお待ちくださいませ!😊 🚀

Translated by Yukako Nitta (MeetICO)


もっとコアへ was originally published in Gnosis on Medium, where people are continuing the conversation by highlighting and responding to this story.

<div class="infobox"><span class="appendinfo">This article was originally published on: <a href="https://blog.gnosis.pm/" target="_blank">The Gnosis Blog</a> on </span></div>